【ボリビア最高峰】サハマ山(Sajama)6550m ソロ登山
サハマ山(Nevado Sajama)
Photo by Wikipedi
ボリビア オルロ州 サハマ国立公園
ボリビアの登山と言ったら未経験者でもガイドツアーでギリギリ登れる6000m峰 "ワイナポトシ" が有名だが、
実は同国の最高峰はラパスから南西に200km離れたサハマ国立公園という山以外特になにもなく
また、ものすご〜く行きにくい場所にそびえている
独立峰 サハマ山 なのだ!!
これまたまた日本人ならつい「サハマ富士」と呼びたくなってしまうだろう美しい独立峰なのだ
・標高6542m
・登山口標高4000mくらい
・ソロ雪山登山
・必要日数 二泊三日が望ましい
・登り18時間 下り7時間 山頂で約1分滞在(この滞在時間の短さには訳がある)
・難易度 ★★★★☆ (登山口までのアプローチがややこしい、山頂直下に大型のクレバスが多数ありガイド無しでの登山はおススメ出来ない)
・国立公園入り口で100Bs徴収される
注意点
・ベースキャンプの土が異様なまでに粘着質なため雨が降ったら使えない
・ハイキャンプは積雪状態によっては飲料用に雪の確保ができない
・山頂付近に落ちたら絶望的なサイズのクレバスが複数有るから危ない
アクセス&ツアー
ハッキリ言ってラパスがガイドを雇った方がおススメだな〜
ラパス市内に多数あるツアー代理店で大体3500Bs〜6000Bsでサハマ山の個人ガイドを雇える
含まれているものは会社と値段によりけりだった
(ガイド、登山に必要な装備のレンタル、往復の車、ベースキャンプまでのロバ、ハイキャンプまでのポータ)
もし個人で行くならまずEl Altにあるコレクティーボ乗り場からPatacamayaに向かい、そこからサハマ国立公園の入り口へのコレクティーボが出ている、運が良ければサハマ国立公園入り口からさらに約10km奥にある登山拠点となる村サハマ村まで行くコレクティーボが一日一回出るという
サハマ村からも登山をスタート出来るが、道路の終点までの6kmをサハマ村の下記の宿で四駆を手配して省略できる、
重装備でのこの距離はしんどいから四駆を依頼した方がいいと思う
オススメ宿
Posada Panatura Mario Y Ana Parque Nacional, Bolivia +591 74017189 https://goo.gl/maps/oAqqbo2jW632
一泊20Bs
国立公園入り口でたまたま車に乗せてくれた青年がこの宿の息子さん、ご縁を感じそのまま宿泊
Wi-Fi、シャワーは無いがいい雰囲気の宿だった
(シャワーが無い宿って!?)
ガイド、レンタルギア、送迎の四駆、その他周辺のツアーもここで手配できる。
1日目
ラパス〜パタカマヤ〜サハマ村泊
こんな感じのコレクティーボと呼ばれる乗り合いタクシー?を乗り継いでサハマ国立公園に向かう
売店で子供がずっとこっちを見ていたから写真を撮ったら親にチップを請求された
国立公園入り口付近から見るサハマ山
宿からの夕日
サハマ山の反対側にも2つの独立峰がそびえる
2日目
朝8時に宿の亭主「マリオ」に四駆を依頼して登山口へ!
最初80Bsと言われたけど、
下山後にもう一泊する約束で50Bsにしてもらう
マリオには登山口から徒歩1時間でベースキャンプに着くと言われたが、、、
こんな感じの道をひたすら登って行く
少し体調が悪く約3時間かかりようやくベースキャンプに着いた!
マリオよ
距離約6キロの山道を荷物を背負って1時間で歩けたら超人だよ。
ここでは休憩だけして約4キロ先のハイキャンプまで上がる予定だったが
身動き取れないほどの下痢と腹痛に襲われ
仕方なくベースキャンプにテントを張り休養
とにかく一日安静に過ごす
というかお腹が痛くて動けない
ピーピーだよ
晩御飯はガスを節約のめ焚き火でパスタ
食欲はあまり無いが食わなきゃならぬ
3日目
一日中寝たおかげか?
正露丸が効いたのか?
祈りが届いたのか? 誰に?
体調は回復の兆しを見せた
万全を見てベースキャンプにもう一泊
リハビリも兼ねて食料だけ持ち8km麓にあると噂の天然温泉を探しに行く
案外簡単に見つかり早速ドボン!!
期待はしていなかったが、湯温もそこそこ高くて大満足の温泉だった!
料金は20Bs、近所のおばちゃんに払う
多分おばちゃんが留守だったら無料
この周辺ではアルパカが飼育されていて登山道によく顔を出してくれるのよ
癒されるなぁ
この夜、予期せぬ低気圧に襲われ吹雪となる、、。
4日目
昨晩のドカ雪で、全く雪の無かったベースキャンプはすっかり雪景色に
ベースキャンプから見上げるサハマ山も威圧感を増す
体調が悪いこともあり登山を止めるか悩んだがゆっくり行けるところまで上がる事にする
新雪を踏みしめながら歩くのは気持ちいい
腹の調子が悪いからケツを締めながら歩く
ベースキャンプ出発から歩くこと7時間
ヒーコラヒーコラバヒンバヒンになりながらハイキャンプ(5700m)に何とか到着!
酸素の薄さと、腹痛が相まって訳がわからない
ハイキャンプまでは雪が無ければもう少し早く着けただろう
晩飯に以前リマで買った、よくわらないアーミーサバイバル食料setを試し、爆睡
タコス、ピーナッツバター、ジャム、ガム、ビスケット、マッチその他一日分の保存食が入っていて案外いけた。
5日目
早朝3時に起床
朝食をとり4時に暗い中アタック開始
天気が不安定
ホワイトアウトと晴天を繰り返す
道を踏み外すのを恐れて慎重にゆっくり歩く
5時位からだんだん明るくなる
やはり天気は悪い
休み休み登ってゆく
この山は独立峰
多少セオリーのルートを外れても上を目指せばいいのだ
山頂手前ので雪原だけ晴れた!
6300m地点、空の色が不思議だ
サハマ山の山頂は平坦どだだっ広く
かつてコマーシャルでサッカーの試合が行われた事があるらしい
一歩一歩喘ぎながら歩き
数カ所ある大クレバスをかわし
ようやく山頂に着いた事をマップで確認
登頂した途端
まっていたかのように山は雷雲に包まれた!!
あちこちで発生する落雷
その時
ストックとピッケルに電流を感じた
雷雲の中に入ると金属製品に電気が流れるのがわかるのだ!
山頂滞在時間は1分も無かっただろう写真も撮っていない
ここで落雷に打たれたらまず助からない!
転げるように下山を開始した
滑落のような下山だった
途中、身体に感じる電流が強くなりとっさにストックを頭より上に上げるとそこに雷がおちて竹製の愛用していたストックは焦げてしまった!
理由はわからないが体への通電はあまりなかったが
後々1週間以上雷を受けた右手は痺れていた
その後もひたすら転がり降り
2時間後
無事にハイキャンプに生きて帰れた。
山頂で写真を撮れなかったからハイキャンプでパシャリ!!
ハイキャンプでは少しだけ休憩をとり
もう食料が底をついているのでそのまま下山した
途中、大きな岩の岩陰で風と横殴りの雪をしのいで休んだ
山を降りると
ずっと、ずっと曇っていたのに
降りたらみるみる雲が晴れていく!
サハマ山のバカー!!!
でも、ありがと。
そんなかんなで前途多難なサハマ山登山は幕を閉じた
これから登る人がいたら雷雲と山頂付近のクレバスにはくれぐれも気をつけて欲しい
・糸冬・